2014年11月5日水曜日

2020年、センター試験が廃止に。その背景は(下)

日本の企業は、今や諸外国との熾烈なグローバル競争の波に飲み込まれているのは周知の事実です。
では、国内状況はどうかと眼を向けてみると、少子高齢化、人口の減少とこれも期待が持てない現状です。

そのような状況をふまえ、産業界では、

"新しい技術が生み出せる人材"と"グローバルビジネスの現場で活躍できる人材"

の育成が急務と言っています。
 
では、産業界の求める人材とは具体的にどういった人材なのでしょうか? 
経団連が2011年に「企業がグローバルに活躍する人材に求める素質、能力」のアンケート調査を行った結果、
「英語によるコミュニケーション能力」に加え、
「既成概念にとらわれずチャレンジ精神を持つこと」や
「海外の文化や社会に関心を持ち、柔軟に対応する姿勢」などが上位にあげられました。

また、前回のブログにも記述したように、
平成256月、経団連のフォローアップ提言『世界を舞台に活躍できる人づくりのために』では、
コミュニケーション能力や、異文化を受容する力、論理的な思考力、課題発見力などを
具体的な能力として挙げています。
 
グローバル化の時代に生き残るため
新しい技術や仕組みを生み出せる人間性豊かな人材が不可欠な中、
今の入試制度でそのような人材が育つのか、という各方面からの危機感により、
政府は2020年度を目処に大学入試センター試験の廃止の方向性を打ち出しています。

1点刻みの競争に勝ち抜くための受験技術に特化した勉強が盛んになり、
最初から正解が用意された問題を解くのは得意でも、
自ら課題を見つけ解決するのが苦手な学生が増加しているのも要因の一つです。

いずれにしても、大きな変革の中、保護者は常に改革の波の正しい情報を得て、
子どもの将来を考える必要があるでしょう

2020年、センター試験が廃止に。その背景は(上)

黒板の前に教師が立ち、同一学年の子どもたちを対象に、
同一内容を一斉に伝達するスタイルの授業を提唱したのは、教育思想家のコメニウス(1592-1670)です

その当時のヨーロッパは、
一部の特殊な階級(教会もしくは宮廷、及び富裕者層の子弟)しか教育が受けられませんでした
日本では、江戸幕府が始まったばかりの1669年に藩士の子弟を対象にした藩校が始まった頃のこと
貧富の差がなく全ての子どもたちに教育を。

一人の教師で100名の子どもたちを教える事は可能であると平等性を訴えたコメニウスは、
学校の基礎を作った素晴らしい功績を残していると言えます
しかし彼がこの一斉授業を提唱してから、400年が経過しても、
ほとんどの学校はいまだにこのスタイルで授業が行われています

そこに違和感を感じるのは私だけでしょうか
 
ここで東京大学が明記している期待する学生像を見てみましょう
そこには『自ら主体的に学び,各分野で創造的役割を果たす人間へと
成長していこうとする意志を持った学生』とあります

経団連も
語学力みならず、コミュニケーション能力や異文化を受容する力、論理的思考力、課題発見力を持つ人材
必要性を平成25年6月、グローバル人材の育成に向けたフォローアップ提言で明記しています
 

今、教育改革はまったなしの状況といえます
2020年のセンター入試の廃止をめざして、これから教育はどうかわるのでしょう

現在、教育改革最前線にいる私の目線で、皆さんにお伝えしていこうと思います。